【赤ちゃんから高齢者まで】下痢によるオムツかぶれの改善方法
2017/02/06
あかちゃんがいるママさんなら、たいていオムツかぶれは体験したことあると思います。あかちゃんは、皮膚が薄くてバリア機能が低いので下痢をしなくても、おしっこや細菌、石鹸やオムツの繊維でかぶれることもあります。
病棟に入院中の患者さんも消化器疾患であったり、抗生剤の副作用で下痢を起こし、オムツかぶれを起こす人がいました。
そんな時のスキンケア方法についてお話したいと思います。
まずは予防と早期対処
下痢によるオムツかぶれ、赤くびらんになってしまうと、とても痛々しく、さらに二次感染を招いてしまうこともあります。
下痢をしている時など特に注意して、こまめにオムツをとり変えて、その際には水分をふき取ることも大切です。また軽度のオムツかぶれならワセリンを塗って皮膚に膜を作ることで、うんちの酵素や消化液、尿素や細菌から皮膚を守ります。
頻回な洗浄でオムツかぶれの悪循環を招く?
おむつ交換ごとの頻回な清拭や洗浄はスキントラブル予防ではなく、実は状態の悪化を招くと考えられています。
オムツの中の環境は
高温多湿で皮膚はふやけています(湿軟といいます)
普段弱酸性の皮膚が排泄物の付着によってアルカリ性に傾きます。この事によって、皮膚の潤いを保ってくれるセラミドの生成がすすまず、角質が剥離しやすくなります。そうする事で皮膚のバリア機能は低下していきます。
洗浄を繰り返しによる機械的な刺激は・・
角質の剥離や過剰に皮膚膜を除去してしまいます。
そうするとバリア機能の低下を引き起こします。ひどい場合は感染を起こしたり、刺激物が入りやすくなります
おむつかぶれ起こしてしまったら どうすればいいの?
あかちゃんだったらオムツのサイズはあっているのか、オムツの繊維が刺激になることもあるので、オムツ自体を見直してみたり、高齢者ならオムツを重ねて使いすぎてないか、(オムツを重ねることは高温多湿を助長してしまうのでよくないです)見直します。
過剰な洗浄は過剰に皮脂を除去してしまうので、1日1回程度の洗浄で清潔にします。
それ以外はオリーブオイルなど油分を含ませたコットンなどで、刺激を与えないように、そっと抑えるようにふき取ります。
綺麗にした後は、排泄物が皮膚につかないように、また湿軟を助長させないように、膜を作ってあげる必要があります。この際にワセリンや皮膚保護クリーム、オイル、パウダーなど使用します。※皮膚保護剤は総合病院の売店などでも売っています。
下痢の原因を取り除くことが大切です。
風邪や離乳食の影響など何かしらの原因があるならば取り除きます。風邪をひいている際など抗生剤を内服すると下痢を起こす人もいます。合わせて整腸剤や下痢止めが必要かもしれません。下痢をしていることも医師に伝えてください。
赤いびらんになっていたら亜鉛化軟膏がよく効きます
肛門周辺がテカテカした状態になった場合、そのままでは赤くびらんの状態になってしまいます。小児科や皮膚科ではオムツかぶれの場合【亜鉛化軟膏】が処方される事が多いです。
皮膚を綺麗にして水分を充分にふき取った状態でこの軟膏を塗布します。また、皮膚保護クリームを亜鉛化軟膏と混ぜて塗る方法もありますが亜鉛化軟膏単品でとてもよく効きます。この際に3mm程度と、かなり厚く塗布します。こまめに排便のたびにぼってりと上塗りしていくと、24時間以内にびらんが改善する事が多いです。
(ちなみに、亜鉛化軟膏は市販薬ではオムツかぶれやあせものクリームの中に10%から12%程度含有して売っているものもありますが、それだとやや効果が薄いと感じました。)
オムツかぶれになったら、こまめにオムツを取り替えて、ワセリンなどで膜を作ってあげる。頻回な洗浄刺激を与えすぎず、改善しなさそうならば早期に受診すること。そして亜鉛化軟膏は厚塗りで塗布する事が一番早く直る方法だと思います。傷ついた皮膚が感染してしまうと亜鉛化軟膏では治らず長引きますので、早期に受診、対処する事が大切です。