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【超簡単!】動脈と動脈血ってちがうの?肺循環やSpO2の話

      2017/02/06

動脈血って動脈にながれているんじゃないの?

動脈血は酸素の多い血液のことをいいます。動脈と動脈血は異なります。

肺や心臓につながる動脈や静脈の経路について、丸暗記ではなく感覚で理解できる考え方をまとめてみました。

基本的な酸素の運搬の流れ

まずは、教科書に書いてありますが一応おさらいです・・

1.口から取り込んだ空気から肺(肺胞)で酸素を取り入れ、代わりに二酸化炭素を排出します(外呼吸)

2.肺胞から取り入れた酸素は全身に運ばれます(血液を通って運ぶ)

3.全身に運ばれた酸素は末端の各組織が使い、使った酸素は水と二酸化炭素に分解されます(内呼吸)

4.二酸化炭素は肺にもどります(血液を通って運ぶ)そして外界へ排出(1.に戻る)

肺循環とは

ざっくりいうと、右心室から肺→左心室 この流れに当てはまるものを肺循環といいます。

そのほか全身をめぐる流れを体循環と呼びます。

動脈・静脈 丸暗記はしない!ポイントを押さえれば大丈夫!

動脈や静脈、動脈血と静脈血について。抑えるポイントは以下に絞られます。


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動脈血→肺を通れば酸素を取り込めるから(酸素の多い)動脈血になる!

静脈血→反対に肺を通る前の血液は(二酸化炭素の多い)静脈血になる!

動脈→心臓から全身へ出ていく血管は動脈

静脈→全身から心臓へ戻る血管は静脈 

繰り返します・・

1.肺を循環してきた血液は酸素がたくさんな動脈血が流れている(動脈血=酸素たくさん!二酸化炭素は少ない)

2.これから肺に向かう血液は酸素が少なく二酸化炭素の多い静脈血が流れている(静脈血=酸素が少なく二酸化炭素たくさん!)

3.心臓に向かって流れる血液は静脈(全身から心臓へ戻ってくる為に静か脈)

4.心臓から全身に向かって流れる血液は動脈(全身を駆け巡る為に勢いのある動きが必要脈)

このように酸素が多い血液は動脈血。二酸化炭素が多い血液は動脈血といいますが、名前は似ていても、動脈に動脈血が多いわけではないです。

これを踏まえ、心臓や肺の周りの血管にあてはめて考えてみると・・

(※動脈血が流れているところを、静脈血が流れているところをで記述しています。)

大動脈は心臓から全身へ向かいます。肺を循環してきたばかりなので酸素がたくさん含まれる動脈血です。(流れとしては全身→心臓の中の右心房→右心室→心臓の中の左心室→左心房→全身)

肺動脈は心臓から出てくる血液なので動脈とは言いますが、これから肺にいききれいな酸素を取り込むので、二酸化炭素の多い静脈血です。

大静脈は全身から心臓に帰ってきます。全身を通ってきたので二酸化炭素の多い静脈血です。

肺静脈は心臓に向かっていく血液なので静脈といいますが、肺からガス交換してきれいな酸素を取り込んできたばかりなので動脈血が流れています。

※ちょっとややこしいのが、肺の場合、肺動脈は血管名は動脈だけど静脈血が、肺静脈は静脈だけど動脈血が流れているんですね。


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似ているけれど・・違いは何? SaO2 SpO2 PaO2・・

・動脈血酸素飽和度(SaO2)

→動脈血液ガス分析によって得られる値です。

動脈血のヘモグロビンのうちどのくらい酸素と結合しているかを示しています。臨床では医師が鼠径にある動脈から採血することが多いです。

・経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)

→経皮的にパルスオキシメーターで計測できる値であり、臨床で最も使用するのはこの数値だと思います。

SaO2同様に、血液中にどの程度の酸素が含まれているのかを表します。計測が経皮的なので簡易的ではありますが、指に挟むだけと患者さんに苦痛がなく簡単です。SPO2 (エスピーオーツーもしくは、このSが飽和を意味するSaturationの略なのでサチュレーションとも呼びます)

・動脈血酸素飽和度(PaO2)

→動脈血中に含まれる酸素の分圧を表しています。

よく使われるSpO2 どのくらいの値があればよいのか?

一般的にSpO2は96%以上が正常で91%以下は呼吸障害と言われていますが・・。

PaO2なら81mmhgが正常で60mmhgが呼吸障害と考えます。

ただし、慢性閉塞性肺疾患の患者さんなど、この基準には当てはまりません。SpO2は88%~92%が保てるように酸素流量を調整している患者さんもいます。酸素はたくさん吸入させればよいというものではなく、その方にとって過酸素状態になると、換気量を低下させ、経皮炭酸ガス分圧測定値を上昇させることもあるので注意が必要なんですね。

 


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