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なぜ?検査の食事制限とその根拠・理由★新人看護師&実習レポート参考に★

      2017/02/06

病棟でよく行われていた検査に関して食事制限とその根拠をあげてみました。

内視鏡検査

上部内視鏡(胃カメラ)やESD EVL

検査前日より禁飲食 

飲水に関しては、内服がある場合、検査当日の早朝に糖分のない水を飲む事があります。出血がない場合、検査後は1時間後より水分摂取可能です。むせがない事を確認して食事再開になります。

【なぜ??】

上部内視鏡検査は胃の中をカメラで観察します。未消化のものが胃の中に残っていると見えにくくなってしまう為、食事は前日までと制限しています。それを考慮すると前日は消化の良い食事を摂取したほうがよいです。

入院中の患者さんでは基本的に水分は21時以降は制限をしていますが、降圧剤などの内服がある場合に朝早くに内服と共に水分を摂取することもあります。

検査後は水分や食事の摂取は咽頭麻酔の影響がなくなる1時間後からになります。生検後などは指示によります。


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下部内視鏡(大腸カメラ)

検査前日夕食後より禁食 

前処置として前日の眠前と当日の朝から下剤を内服します。水は飲んでも可。検査後は指示があれば当日から食事再開します。

【なぜ??】

下部内視鏡は肛門から内視鏡をいれて大腸の中をカメラで観察します。下剤を飲んで腸の中が綺麗になった事を確認してから実施するものです。食事を摂取してしまうと便がつくられてしまいます。その為食事は、前日の夕食までと制限しています。

腹部超音波検査(腹部エコー検査)

午前の検査なら朝食、午後の検査なら昼食を抜きます。終了後に制限はないです。

基本的に食事は検査5時間前までに済ませたほうが良いです。水分制限は直前までないことも多いですが、この場合の水分というのは糖分の入っていない水やお茶のことです。

【なぜ??】

腹部の超音波検査では胃腸や胆嚢、膵臓、肝臓、など腹部にあるさまざまな臓器を確認します。この時に胃に食べ物が入っていると、胃の中の異常に気がつけません。また、すい臓も胃の裏にあるので見えにくくなります。

消化管X線検査

上部消化管造影検査

検査前日21時以降禁食です

検査2時間前までは少量ずつなら飲水可 終了後はバリウムを体外に排出する為に飲水を促します。終了後は制限ないです。

【なぜ??】

この検査は胃の形を観察します。胃の壁面にバリウムを付着させる為、固形物が有ると綺麗に写らないために制限をしています。ただ、病院で入院している患者さんに実施しているのを見たことないです。検診ではよくありますが、入院中の検査は上部消化管内視鏡検査がメインです。

下部消化管造影検査 (注腸検査)

検査当日は禁食、水分制限はないです。

検査前日より注腸食を摂取、前夜に緩下剤服用、検査当日は下剤(坐薬)を使用します。検査後は水分摂取を促す。食事制限もないです。

【なぜ??】

腸の壁面にバリウムを付着させる為、便が残っているとキレイに写らない為制限します。こちらの検査も頻度が少ないです。大腸カメラの方がメインになっています。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影 ERCP

検査前日夕食後より禁飲食

検査前は胃カメラと同じ。検査後は絶飲食です。

【なぜ??】

この検査が胃カメラと違うのは、十二指腸にくっついてる胆管(肝臓や胆嚢もつながってます)にめがけて細い管をいれます。 そこで造影剤を使います。さらに同時に石をかき出したりといった処置など、何らかの治療をする事も多く時間もかかります。その為急性膵炎のリスクがあります。(膵臓は消化液を作っているので、ここで炎症を起こすと周囲に消化液が漏れて炎症がおこる)ERCPをした翌日など採血をして、炎症反応やアミラーゼのチェックをしてから、消化に良い食事を再開する事が多いです。

TAE 肝動脈塞栓療法

前日21時以降は医師の指示があるまで基本的に禁飲食 

検査後当日は水分のみ可能になることが多いです。

【なぜ??】

この治療は通常は右大腿脈を穿刺して細い管(ガイドワイヤー+カテーテル)を挿入し、目的の動脈に造影剤を注入してX線撮影しながら肝動脈まで挿入し、抗癌剤や塞栓物質を注入してその先の腫瘍に栄養を与えている肝動脈末梢部の血流を止めて壊死させます。食事は、造影剤の副作用により嘔吐が出現する事があるため制限します。


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心臓カテーテル検査 PTCA

検査当日の食事は制限します。

絶食もしくは半量 (例えば午後実施の場合朝食は半分、昼食禁食、夕食は実施後の安静時間となるので、おにぎりなど食べやすいものを選択) 実施二時間前までは飲水可 終了後は飲水を促します。

【なぜ??】

造影剤を使用して血液の流れ方を放射線にうつします。造影剤は、副作用としては嘔吐があり、とても気持ち悪くなります。ストレスもありますし、検査の途中で、食べたものを吐きたくなって、動いてしまうと危険ですので、検査前の食事を制限します。水分も同じ理由です。少量ずつならよいです。

その他 入院中よくある患者さんの食事制限

血糖チェックがある患者さんには食事により血糖が上昇するので、朝食前の空腹時に実施

アンモニア採血がある患者さんには血中アンモニアは食事や運動によって上昇するので、(採血は安静空腹時ということで)朝食前に実施。(血中のアンモニアは食後1~4時間で約2倍)病院によって多少マニュアルに差がありますが、基本的な考え方は同じだと思います。水分摂取に関しては、内服が必要であったり、先生によっては高齢者の場合脱水の危険もあるので、水分を制限しなかったり点滴を追加したりする事があります。


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