血圧測定で聞こえる音【看護雑学】
2017/02/06
妊娠中は定期健診の度に毎回血圧を計測しますよね、これは妊娠高血圧症候群の早期発見の為にも欠かせないのですが、若い女性は血圧が低い人も多く、血圧測定の「トク、トク、トク」なんて音を聞いているとめまいがしてくる人もいるかもしれません。
血圧測定についての素朴な疑問をピックアップしてみました。
トクトクってなんの音?
血圧測定の際にマンシェットを巻いて圧がかかると「トクトクトク」と聞こえてきますよね。私が看護学生だった頃、水銀血圧計でこの音を聴診器で聞いて、秒速2mmHgずつの速度で空気を抜いて・・と、最初に練習した実技でした。その時に習ったお話です。
この音はコロトコフ音といい、マンシェットで圧迫されて狭くなった上腕動脈の中を血液が拍動によって流れる音です。つまり、心臓から送り出された血液が乱れて血管の壁にぶつかった音です。
血圧にも左右差があります
一般的には、右腕のほうが血圧が高いといわれています。利き腕だからではなく・・単に右にある鎖骨下動脈が、左にある鎖骨下動脈より大動脈に近いところで分岐しているからです。
生理的な誤差は10~15mmHgの範囲です。大きく左右差が出た場合は動脈の狭窄や閉塞(血栓や塞栓など)なんらかの異常を疑う事もあります。
上下肢差もあります
下肢でも血圧を測ることがあります。大腿用のマンシェットもあり、腕で測れない場合に計測する事だけでなく、あえて計測することもあります。
その場合、下肢の方が値が高くなります。これも10~15mmHg程度なのですが、大きな測定差がある場合は大動脈の狭窄など、血栓や塞栓が疑われることもあります。
血圧の正しい測定方法
血圧は左右差、上下差が生じてしまうものです。少し歩いただけでも値が高くなりますし、ストレスや緊張の影響で病院で計測するときだけ高くなる人もいます。そのくらい環境に左右されやすいものです。
理想的なのは仰臥位になって、安静にした状態で計測する事ですが、座って測る場合でも、腕を心臓と同じ高さになるように合わせ、測定前はしばらく安静にしてから計測する事で誤差を少なく出来ます。
測定結果は変動しやすいものだと考慮して、深呼吸してリラックスして血圧測定を受けてくださいね。