先天性心室中核欠損(VSD)の経過
2017/02/06
娘はうまれた時に、心室中核欠損と心房中核欠損がありました。妊娠中と生後の経過についての話です。
心室中核欠損とは
先天的な心疾患の中で最も発生頻度が高い心疾患だそうです。左心室と右心室をわけている心室中核に穴(欠損孔)が空いており、この穴の大きさや位置によって重症度が異なってきます。
小さな穴の場合は心雑音はあっても無症状であることも多く、2歳までには自然封鎖するといわれているそうです。大きな穴(10mm以上)の場合心不全症状が現れたり手術する事もあります。
心不全症状とは
- 呼吸障害(あかちゃんが不機嫌になったり、呼吸数や酸素飽和度が低下したり喘鳴、哺乳ができない)
- 抹消循環の異常(手足が冷たくてじっとりと湿った状態)
- 発汗(からだを巡る血液量が低下して体の代謝頻機能の異常で頻脈になったり汗をかきます)
- 体重の増加不良(呼吸障害で哺乳量が低下する為)
- 尿量減少(体循環拍出量の減少で腎臓の血液量も減る為)
心房中核欠損とは
赤ちゃんの心房中核は右心房と左心室の間にある壁が完成していない疾患をいいます。赤ちゃんの心房中核は卵円孔といって胎児の時には穴が空いているのもなのですが、生後数日で自然封鎖します。穴が10mm以下の場合1歳までに閉鎖する事がほとんどだそうです。1歳までに穴が塞がらないと心臓が大きくなるにつれて穴も大きくなるので、手術を行うこともあるそうです。
娘の場合・・
娘の場合は心室中核欠損も心房中核欠損もあったのですが、どちらも5mm以下だったので自然封鎖を待つ事になりました。
生後しばらくは低出生体重だったこともあり、哺乳力が弱く酸素飽和度も低下する事もありましたが、体重が増えるにつれて体力がつき上手におっぱいを飲めるようになりました。退院する頃には一回の授乳で60ml程度は飲むことが出来ます。その他目立った症状はありませんでした。
心室中核欠損、心房中核欠損に関しては、退院後1ヶ月、3ヶ月と経過を観察していったのですが、5ヶ月目の検診では穴がほとんど塞がりました。
妊娠中は・・
心室中核欠損、心房中核欠損が診断されたのは生後ですが、妊娠中は早い時期から心臓に何かあるといわれていました。
最初に疑われたのは胎児スクリーニングの時です。(妊娠19週5日)この時には右心肥大傾向であるとの事。頻回にエコー実施しました。生後28週の時に受けた胎児精査外来の際には僧坊弁に異常がありそうだと疑われたのですが、血液の逆流が見られなかった事もあり、またその後のエコーでは異常にみえなかったりと、赤ちゃんも角度によっても見え方が違うこともあり・・経過観察となりました。
結局、生まれてみると心室・心房中核の欠損のみの診断であり、経過も良好でした。人の心臓は握りこぶし程度といわれています。赤ちゃんの握りこぶしはとても小さくて、その中に5mmの穴なんて聞くと心配にますよね、よくある事と言われても不安になりました。
親の心配をよそに娘はすくすく育っています。